陶器やガラスなど様々な素材の食器がありますが、中でも子供用食器としてよく使われるのがプラスチック製の食器。
普段から何気なく使っているプラスチック製の食器ですが、プラスチックで作られている食器は危険だという噂を耳にしたことないでしょうか。
そこで今回は、プラスチック製の食器が危険と言われるのはなぜ?危険なプラスチック製食器の見分け方や危険と言われるプラスチック製食器の安全性についてについてお伝えしていきます。
プラスチック製の食器が危険と言われるのはなぜか
プラスチック製食器で使われている原材料には、ポリプロピレンやメラミン、ポリカーボネートなどがありますが、ポリプロピレンは熱に弱く耐久性がないので、高温になることで表面についた傷から有害物質が溶け出すと言われており、メラミンも毒性の強いホルムアルデヒドが溶け出すことで健康に害を与えると言われています。
また、加工する際の添加剤として、
- 可塑剤
- 安定剤
- 界面活性剤
- 難燃剤
など様々な添加剤が使われており、これらは低温で作られるため熱に弱く、間違った使い方によって溶け出す恐れがあります。その溶け出した液体が体内に入ることで体に悪い影響を及ぼすと言われているのです。
特に心配なのが乳児や幼児、妊婦さんなどで、こうした物質の影響を大きく受けやすいので注意が必要とも言われています。
このように、研究者らがプラスチック製容器は危険と問題視していますが、プラスチック業界や各製造メーカーでは安全性を主張しており、危険か安全かの結論は未だつかず、論争が続いているのが現状のようです。
危険なプラスチック製食器の見分け方
プラスチック製食器が危険だと言われていますが全てが危険というわけではありません。
日本では「プラマーク+材質」で表記されるように複合樹脂でプラスチックが作られており、それぞれアルファベットで表記されているので、その表記によってどんな素材が使われているのかがひと目でわかります。
環境ホルモンを出さない比較的安全なプラスチックは、
- PP(ポリプロピレン)
- PE(ポリエチレン)
- PA(ポリアミド)
- PET(ポリエチレンテレフタラート)
の4つ。一方で注意したい危険なプラスチックは、
- PVC(ポリ塩化ビニル)
- PC(ポリカーボネート)
- PS(ポリスチレン)
の3つです。
スーパーなどでイチゴや野菜などを入れている容器は塩化ビニール製がほとんどで、タッパー容器の一部にポリかねーどが使用されているようです。
このように、プラスチック製食器全てが危険と排除するのではなく、表記も参考にしながら安全性を見分けることが大切なのかもしれません。
危険と言われるプラスチック製食器の安全性について
プラスチック容器が危険言われる一方で、製造メーカーは安全性を主張しており、世界各国の研究や実験データーを十分に調べ、食品衛生法による国の安全基準はもちろん、プラスチック業界独自の厳しい安全基準をクリアしたもののみ製品化していると主張しています。
特にプラスチック製食器の中でも優秀と言われているメラミン食器は安全で、健康に害を与えると言われているホルムアルデヒド溶出に関しても、メラミン食器に含まれる程度の量のホルムアルデヒドであれば無視してもいいほど害がなく、体内に入っても水と二酸化炭素に分解されたり排出されるため、体内に蓄積される心配はないと医学の専門家も述べているようです。
プラスチックとメラミンの違いは、電子レンジが使えるかどうか。
電子レンジが使えるのはプラスチック、電子レンジが使えないのがメラミンなので、表示だけでわからない時は電子レンジが可か不可かで覚えておくといいでしょう。
このように、日本のプラスチック業界では、「日本製のメラミン食器は安全性に優れているので、安心してお使いください」と述べていますが、気になる方は、陶器やガラスなどの食器を使ってはいかがでしょうか。
プラスチック製食器のメリットとデメリット
ここまでプラスチック製食器の危険性や安全性について述べてきましたが、プラスチック製の食器には他にどんなメリットやデメリットがあるのでしょうか。
プラスチック製食器のメリット
- 落としても割れない
- 重量感がなく軽いので子供も扱いやすい
- 100均でも購入できるなど価格が安い
- ゴミとして捨てやすい
一番のメリットは落としても割れないこと。
陶器やガラスの食器の場合は、洗い物の際に手が滑ってシンク内に落ちただけでも欠けたり割れたりするので、”割れない”というリスクがないだけでもストレスなく扱えます。
プラスチック製食器のデメリット
- 見た目が安っぽくおしゃれじゃない
- カレーなど調味料が濃い料理の汚れがつきやすい
- 熱に弱い
見た目がおしゃれじゃないのはプラスチック製食器最大のデメリット。
割れないメリットから、キャンプなどのアウトドア用食器としてもよく使われますが、プラスチック製の食器に料理を盛り付けるとどうしても見た目で損をするのでインスタ映えはしません。
また、汚れがつきやすく熱に弱いので、変色や変形がしやすいのもプラスチック製食器のデメリットです。
「子供にはあえてプラスチック製食器は使わない」その理由
軽くて割れないプラスチック製の食器は、安全面から子供が使う食器として大変人気ですが、あえてプラスチック製の食器を使わない方もいます。
それは、物を大切にする気持ちが芽生えやすいから。
陶器やガラスの食器は、遊び食べなど乱暴に扱ってしまうと誤って割ってしまう危険性があります。
怪我の心配はありますが、食器を割ってしまうことで、なぜ食器を乱暴に扱ったらダメなのかが理解しやすいですし、子供も「次は割れないようにしよう」と慎重に食器を扱うようになります。
それが結果的に遊び食べがなくなるきっかけにもなり、集中して食事を摂るようになるのです。
食器を割ってしまった経験は子供ながらにショックを受けますが、失敗も経験のうちと捉えることで、子供自身が立ち直る力を身につける機会になります。
もちろん年齢に合わせた食器を使うのがベストなので、お子様の様子を見ながら、プラスチック製から陶器やガラス食器へ変えてみてはいかがでしょうか。
最後に
今回は、プラスチック製食器の危険性についてお伝えしてまいりました。
危険だ、安全だと意見は分かれますが、1つ言えるのは、「プラスチック製食器の特徴を知った上で正しく使うことが大切」ということ。
安全性を重視し、普段からどんな素材が使われるかを意識しながら、自分の身は自分で守ることが必要な時代なのかもしれません。