控えめな輝きで高級感のある錫食器。錫製の食器にはいろいろなタイプがありますが、なかなか日常で使われることがありません。その理由はさまざですが、多くの方はお手入れが面倒と思われているからではないでしょうか。そこで今回は、錫食器の簡単なお手入れ法についてご紹介します。使用後のお手入れから、定期的に行ってほしいお手入れまで、その方法と使うアイテムをお伝えします。特に、お手入れが面倒で錫食器を使っていない方はぜひ一度ご覧ください。
錫食器の使用後のお手入れ
錫食器はとても柔らかい素材で傷がつきやすい性質を持ちます。
そのため、使用後は、やわらかいスポンジに食器用洗剤で洗います。
汚れが取れたら、十分にすすぎ、乾いた布で拭き取ります。
また、錫食器は陶器やガラスに比べて珍しい素材なので、手入れが面倒と思われがちです。
しかし、このようにキッチンや家にあるもので簡単にお手入れできます。
錫食器の定期的なお手入れが大切
錫食器の輝きを保つためには、定期的なお手入れが必要です。
年間に使う頻度が低いなら、手順を覚えておくと便利です。
用意するもの
- 重曹
- ガーゼ・やわらかいタオル(磨く用と乾拭き用2枚)
- 食器用洗剤
やり方
- 重曹を少量の台所用洗剤でかために溶かします
- ガーゼなどに重曹ペーストをつけ錫食器を円を描くように磨きます
- 磨いた後は水かぬるま湯で重曹ペーストを流し、食器用洗剤で洗います
- 洗い終わったら、やわらかい布巾でしっかりと水分を拭き取ります
お手入れ後は、ほこりが入らない食器棚などに収納しましょう。
また、重曹は100均ショップなどでも購入できます。
さらに残った重曹はスプレーにして家の中を掃除するのにおすすめです。
錫食器のにおいが気になる場合
金属製の食器によくある特有のにおい。
ステンレス製の食器などではこのにおいが苦手で金属の食器を避ける方も多いと思います。
しかし、錫食器は、この金属臭がしないところがメリットです。
ただし、錫製の独特なにおいを感じる方も中にはいるかもしれません。
そのような時は、こまめに洗う。
もしくは短時間だけ食器用洗剤を水に溶かした容器に錫食器を浸けてみましょう。
また、先ほどご紹介した重曹を使うお手入れ法も効果的です。
さらに、この方法は、食材のにおい移りにもおすすめです。
特ににおいがなかなか取れない時は、何度か繰り返すとにおいが取れます。
錫食器のお手入れの注意点
錫食器のお手入れは、使うたびに洗う。
そして定期的に磨くことで長く使用できます。
しかし、使用上にはいくつかの注意点があります。
- かたいたわしや金属磨きを使わない
- 電子レンジ、食洗機を使わない
- 冷蔵庫での長時間の保管をしない
- レモンなどの酸性の強い液体を長時間入れたままにしない
- 火器のそばに置かない
とてもやわらかい素材の錫食器はかたいものでは洗うと傷が付きます。
また、冷蔵庫などの低温の場所に長時間おくと、破損やひび割れなどをの原因に。
そして酸性の強いものを入れっぱなしにすると変色の原因になります。
もしも錫食器にサビやカビのような汚れが見えた場合は変色の可能性があります。
また、汚れ落としによく使われるメラミンスポンジは、錫食器の表面に傷をつける恐れがあります。
そのため、使用する時は目立たない場所で試してからお使いください。
錫食器のお手入れ後の楽しみ方
錫食器の魅力は、いつもと違う特別感を味わえるところ。
そして飲み物をおいしくさせるところです。
さらに、錫製のタンブラーなら、水やお酒の不純物を吸着してまろやかな味にしてくれる効果が期待でき、他素材との違いがわかります。
そのため毎日の飲み物用のコップとして使ってみるのはいかがでしょうか。
また、錫食器は経年劣化を楽しめる素材です。
その見た目を眺めながら冬は熱燗で、夏は冷たいアルコール類を堪能できます。
ただし、タンブラーの中で金属製のカトラリーを一緒に使うと傷が付きますので注意しましょう。
錫食器を購入するなら
錫食器は、職人の手によるハンドメイド製品がおすすめです。
日本には各地に錫食器を製造するメーカーがあります。
中でも人気の高いメーカーが「能作」です。
富山県を代表するメーカーで、元は仏具の製造が中心でした。
その後純度100%の錫製商品の開発を開始し、今に至ります。
現在は全国に直営店を持ち、インターネットによる販売も行っています。
能作の錫食器の商品は酒器セットを始め、タンブラーやお皿、カトラリー、箸置きなど多岐に渡ります。
また、自由に変形できる錫製のカゴはメディアで紹介されるほど人気です。
さらに、花器やお香立ても販売していますので、大切な方へのギフトに最適です。
錫食器はいつから使われているのか
レオナルドダビンチの「最後の晩餐」にも描かれる錫食器。
その歴史は3500年前の古代文明まで遡ります。
ヨーロッパを中心に発達し、日本に伝わったのは1200〜1300年前と言われています。
その後、錫製食器の文化が根付き、発展してきました。
現在では値段の安い素材の食器が主流で、錫食器を使うシーンは特別な時などが多いようです。
錫食器のお手入れの仕方まとめ
お手入れの手順を覚えておけばいつまでもきれいに使える錫食器。
以下に錫食器のお手入れ方法をまとめましたので、ぜひ参考にしてください。
- 使用後はやわらかいスポンジと食器用洗剤で洗う
- 定期的に重曹ペーストで磨く
- かたいたわしなどを使わない
- 錫食器の注意点を守る
このような方法を活用し、錫食器を楽しみましょう。